セルロースナノファイバー(cnf)とは CNFは、紙やパルプにはない特異的な性質を活かして、多種多様な用途への展開が期待されています。 また、植物バイオマスから取り出した天然由来の繊維であり、低炭素社会の実現にも貢献できる素材です。 R&D, Marketing & Sales, DX のデジタル戦略パートナー スペシャルケム(SpecialChem), 製品設計の「キモ」(18)~ プラスチック強度設計における引張特性と曲げ特性の使い方, CNFが粉体の場合は、CNFをよく乾燥させた後に樹脂と混練することがポイントである。, CNFが水溶液の場合は、図1(CNFの水分散液の樹脂混練への準備)に示す処理が必要となる。, CNFを何に使用するのか、どのように使用するか、どのような品質設計にするかによって様々な視点がある。, たとえば、品質に関しては、使用用途に見合った設計が必要であり、樹脂へのCNFの添加により、弾性率や強度などのように品質向上する項目もあるが、耐衝撃性など品質低下する項目もある。, 他の評価項目とのバランスをとりつつ、CNFやその他添加剤の配合を決定していく必要があり、試行錯誤されている。, セルロース、そしてCNFに関して、まだまだ未知の部分が多い。樹脂との混練においても品質が一定せずに扱いにくい場合があり、それが「なぜ」なのかが明確でない部分が多い。時間はかかるが、それらの「なぜ」を調べていくことがセルロースをうまく使いこなしていくことに繋がる。. Fax: 043-332-9020. (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); セルロースナノファイバー入門(4) cnfと樹脂との混練物を作る 2019-08-02 / 最終更新日 : 2019-08-02 plastics-japan お知らせ 岡田きよみ (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 使用するCNFは、自作したものでも販売されているものでもどちらでもよい。ただし、混錬する樹脂の種類と使用用途に適したものを使用する必要がある。CNF販売に関する情報は、こちらを参照いただきたい。, 水溶液をそのまま乾燥すると、図1の上中央図のようにCNFがフィルムのように固まり、機械回旋では解れない状態になってしまう。そこで、まず水溶液をよく攪拌してCNFを解離させた後、ろ過による溶媒置換、あるいは真空乾燥によって水を抜く。, その後、CNFを十分に乾燥させ、ミルを用いて空気中で解離させる。この段階で、CNFはふわふわの綿菓子状になる。それを再度、樹脂混練直前に乾燥機で乾燥させ、樹脂に混練する。, 混練・成形時には、成形機を使用する必要がある。実験時には、図2に示したように、ラボミルでの混練後に樹脂を回収し、熱板などを用いて必要な形に成形する。, 混練・成形時は、CNFの有無だけではなく様々な条件によって混練物の性質が変化するため、十分な注意(注意する条件は、図2右に記載)が必要である。比較配合する際は、同じ条件で混練・成形しなければならない。, また、可能であれば、CNF濃度の高いマスターバッチ(MB)をあらかじめ作っておくのも手である。樹脂を混錬して必要な濃度に希釈すれば、CNFの分散がより均一になる。, PPと無変性のCNFは均一混練されにくい。図3では、粉体のCNFを5%PPに混練する際、事前に高濃度(20%程度)のMBを作っておき、それをPPで5%に希釈混練して成形した場合(左)と、MBを作らずに、一度に粉体CNFを5%になるようにPPに混練して成形した場合(右)の成形品を比較している。, 求めるCNF濃度の樹脂を作る際には、高濃度のMBを作って希釈していくなど、CNF濃度の高い樹脂から低い樹脂に段階を追って作成していく方が、CNFの分散が良好である。, CNFを樹脂に混練した際、期待される性質として、強度、寸法安定性、軽量化の品質特性の向上があげられる。これらの特性を知る上で、樹脂の引張試験や曲げ試験は材料の強度評価として基本的な試験である。, 具体例として、樹脂にCNFを10%添加したCNF混練樹脂の曲げ試験結果(曲げ特性)を表1に示す。, この図は、リグニン含有セルロースのアセチル化処理により得られたCNFと樹脂を混練して作成された混錬樹脂の曲げ特性を評価した結果を示している。, 通常、セルロースは200℃付近で重量減少を起こす。リグニン含有セルロースでは耐熱温度がわずかに向上するが、220℃付近に達するとリグニンの熱変化による呈色が見られる。これらの熱特性のため、製造現場では混練時に使用する樹脂が制限されてしまう。, この問題を解決する1つの方法が、CNFの変性処理であり、変性する官能基によってはCNFの耐熱性が向上する。図4では、変性処理によってCNFの耐熱性が向上し、汎用樹脂よりも成形時温度の高い、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリエステル(PBT)などの汎用エンジニアリング樹脂にも使用可能であり、曲げ弾性率と曲げ強さが向上することがわかる。, 図4では、特にオレンジ部分の樹脂において、曲げ弾性率と曲げ強さが大きく向上している。CNF含有効果の高い樹脂の特徴として、それらの樹脂が極性基やヘテロ元素を持つことを考察しておく。, 樹脂の中で、ポリエチレン(PE)、PP、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS)は四大汎用樹脂と呼ばれ、生産量が多くて安価な熱可塑性樹脂である。そして、樹脂の生産量の半分は、PEとPPであることから、PEとPPへのCNF混練による品質向上の期待は大きい。, 図4をみると、PEでは十分なCNFの混練効果が示されているが、PPでは、曲げ弾性率および曲げ強さともにPPのみの場合と比較して1.5倍にも満たず、効果不十分の感がある。, しかし、2019年に京都市産業技術研究所が発表したデーター(図5)では、PPにCNF10%を混練した場合と、PPのみの場合の曲げ弾性率と曲げ強さ(図5では、曲げ応力と記載)を比較した結果、曲げ弾性率は2.0倍、曲げ強さは1.5倍、になり、CNF添加の十分な効果が示された。, この結果は、PP中でCNFが細かく解れる方法を試行錯誤した結果とのことであり、図4のグラフは、CNF膨潤剤の検討結果から得られたものである。, 【運営会社】  当社は、独自の超微細ポリマー流制御による精密複合紡糸技術により、ナノオーダーという極限の『細さ』と、異型断面という『形』をそれぞれ高精度で制御できる革新ナノファイバー技術を有しています。  今回、同技術を大きく進化させることにより、これまでの『細さ』の限界であった繊維径300nmを半減した150nmという世界で最も直径の小さい長繊維型ナノファイバーの開発に成功しました。一方、『形』においても、ナノファイバーでありながら断面に凹部を形成させる超精密加工技術を創出し、これまでの三角や多角形断面に加えてY型断面のナノファイバー(繊維径500nm)の製造にも成功しました。

 本技術を活用した東レの革新ナノファイバーは、機能性を生かした快適衣料やスポーツ衣料などの高機能アパレル製品をはじめ、フィルター材料や医療材料といった高性能産業資材用途など、環境・水・エネルギー、情報通信・エレクトロニクス、自動車、ライフサイエンスなど幅広い領域において、優れた機能を発揮する先端材料としての展開が期待されます。  今回開発した世界最細の超極細ナノファイバーやY型断面ナノファイバーは、繊維重量あたりの表面積がこれまで以上に高いものであり、また繊維間空隙を任意に制御可能なことから、吸湿性、吸水性、保水性、摩擦係数といったナノファイバーの特性が一層向上するとともに、濾過・分離性能や払拭性能をこれまでにない高いレベルで発現させることができます。  当社の革新ナノファイバーは、長繊維として織物や編物に加工したり、所望の長さにカットした短繊維として不織布などに適用することができるものです。また、得られるナノファイバーの直径が均一であるため、繊維の切断や脱落が少なく、かつ安定した品質の製品が得られることが大きな特徴です。

(1)セルロースナノファイバー(CNF) ナノセルロースのうち太さが4~100nm、長さが5μm以上のものをセルロースナノ ファイバーと呼ぶ。2) 木材などからセルロースナノファイバーを製造する方法は物理的な方法と化学的な 方法がある。  今回開発したY型の異型断面ナノファイバー(繊維径500nm)は、断面に凹部を持つため、接触する材料との間に大きな圧力が加わることで、ワイピング性能が従来のナノファイバー対比で飛躍的に向上します。また、ナノファイバー断面の凹部分で繊維間に空隙が形成されるため、ワイピングで掻き取った汚れをその空隙に吸収、保持できることから、払拭した面には微細な汚れも残らず、優れたワイピング性能を発揮します。. Phone: 050-5273-6453  なお、今回開発した超極細ナノファイバーと異型断面ナノファイバーは、2013年1月30日から2月1日まで東京ビッグサイトで開催される「第12回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2013)」の当社ブースにて展示いたします。 第4回 ナノセルロース展 2016年、国内初のセルロースナノファイバー(CNF)の専門展としてスタート。 植物由来で用途拡大が見込まれるCNFの普及・理解を促すとともに、産官学の技術・研究の最新情報、ビジネスマッチングの場を提供します。 CNFに関する研究論文について、2004年以降の年次推移を調査した。右肩上がりに増加していることがわかる。, 研究内容としては、特性解析(引張り強度、曲げ強度など、応力関連)および用途開発の研究が多く、増加している。, 応用展開先を詳しくみると、医療・製薬関係(生体適合性高分子、ドラッグデリバリーなど)から電子・電気(電子基板や導電性薄膜など)、自動車まで幅広い分野での利用が研究されており、セルロースナノファイバーは、利用拡大が期待されている素材であることがわかる。その他、断熱性、バリア特性、吸着・吸水性、粘結性などの機能向上を狙った材料開発にもセルロースナノファイバーが利用されている。, 特性解析や用途開発に比べて論文数は少ないものの構造解析に関する研究も増加しており、特に、ナノ構造解析、界面観察、空隙率などが検討されている。この他、コンポジット中のセルロースナノファイバーの分散状態などの解析研究が目立つ。, CNFを添加しているマトリックスは、樹脂だけではなく、無機材料など各種材料を用いて研究がされている。さらに、樹脂の種類も多い。, ナノセルロースは、様々な材料開発において先端素材として注目されている。本調査では、特にセルロースナノファイバー(. Copyright © プラスチックス・ジャパン・ドットコム All Rights Reserved. セルロースナノファイバー製品製造工程におけるco2排出削減に関する技術開発 (パナソニック株式会社) 平成27年度 [pdf 4,962kb] 平成28年度 [pdf 4,603kb] 平成29年度 [pdf 4,796kb] プラスチックス・ジャパン株式会社 ナノセルロースは、様々な材料開発において先端素材として注目されている。本調査では、特にセルロースナノファイバー(cnf)を取り上げ、cnfに関する研究を概観し、研究開発が活発な技術分野を明らかにするため、調査を実施した。 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)はこのたび、直径150ナノメートル(nm)という世界最細の超極細ナノファイバーと、断面形状がY型の異型断面ナノファイバーの開発にそれぞれ成功 …  安全・環境に対する関心の高まりやより快適な生活を求める世の中のニーズは高く、それを支える素材には、従来にない全く新しい機能の追求が求められています。東レは今後とも、社会の動向を捉え、新しいニーズにマッチする革新ナノファイバーの開発と実用化に向けた取り組みを推進してまいります。  今回開発した革新ナノファイバーの詳細は下記の通りです。, 2.繊維断面に凹凸を有した異形断面ナノファイバーの創出 千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンCB棟3階 幕張ビジネスポート Fibnano[ファイブナノ]は、甜菜やサトウキビ由来の砂糖を原料に日本の伝統技術“発酵”により作られたセルロースナノファイバーです。酢酸菌が砂糖を利用することにより体内でセルロースと合成します。

東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)はこのたび、直径150ナノメートル(nm)という世界最細の超極細ナノファイバーと、断面形状がY型の異型断面ナノファイバーの開発にそれぞれ成功しました。