取締役会の定足数・決議要件 当社の取締役の定員は5名となっていますが、現在1名が欠員状態にあり、また1名が病気入院中のため会議に出席できません。したがって3名だけの取締役会となりますが会議は有効に成立するでしょうか。 本日は月曜日ということで、小ネタを。実務上よく質問されるのが「ウチの会社では、取締役に欠員が発生しているのですが、そもそも取締役会は有効に開催できるのでしょうか?」ということです。, 例えば、定款上、取締役の員数を5名以上と定めている取締役会設置会社において、取締役が死亡したりして現状3名しか取締役がいない場合に、取締役会を有効に開催できるのか?という質問です。, で、回答でございますが、上記の質問の出発点には、取締役の員数が欠けた場合には取締役会を有効に開催できないのでは?という発想があるように思いますが、実は、取締役の員数(取締役を何人選任しなければならないか)の問題と、取締役会の定足数(取締役会を開催するには何人の取締役が出席しなければならないか)の問題とは、必ずしもリンクしているわけではありません。, (左の写真は、昨日、東京で発生した煙霧の状況です。1キロくらい先の東京タワーがかすんで見えます。ちなみに、昨日の煙霧は、中国の黄砂が原因ではなく、関東の土ぼこりがまいあがったものとのこと。日本でも、こういう現象は発生するのですね。), 第369条① 取締役会の決議は、決議に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。, と定めていいるのですが、「この取締役会の定足数算定の基礎となる取締役数は、原則として現存する取締役(取締役としての権利義務を有する者を含む。)の員数である」と解されています。つまり、法令又は定款上の取締役の員数の如何に拘わらず、現存する取締役の過半数が出席すれば、有効な取締役会を開催することができるというのが原則です。, しかし、この原則を貫くと、極端に取締役の数が定員割れを起こしているような場合でも、(現存する取締役の過半数が出席すれば)常に取締役会を開催できることになってしまい、適当ではありません。そこで、例外的に「現存取締役数が法令又は定款に定める取締役の最低数(会社法第331条第4項)を下回っているときは、その最低限の員数が基準となる」と解されています(江頭憲治郎『株式会社法第4版』392頁脚注(12)参照)。, このような解釈の背後には、定員割れが発生していない場合でも、法令又は定款に定める取締役の最低数の過半数の取締役しか取締役会に出席できない場合もあり得るが、その場合でも、取締役会決議は有効なのであるから、定員割れが生じている場合でも、最低数の過半数の取締役が出席していれば、有効な取締役会として認めてよいであろうという価値判断があるのでしょう(会社法実務相談Ⅲ650頁参照)。, 初めの質問に戻ると、取締役の員数の最低数が5名ということですので、その過半数である3名が出席していれば取締役会として有効であり、その過半数である2名の取締役の賛成で取締役会決議は成立することになります。, なお、法令又は定款所定の取締役の員数が欠けた場合には、遅滞なく後任の取締役を選任しなければならず、これを怠ったときには、(私自身はまだ適用された例をみたことがありませんが)他の取締役は100万円以下の過料に処せられることがあります(会社法976条22号)。有効な取締役会が開催できるからといって欠員の補充をほったらかしにしないよう注意が必要です。, 実務上よく質問されるのが「ウチの会社では、取締役に欠員が発生しているのですが、そもそも取締役会は有効に開催できるのでしょうか?」ということです。, 条① 取締役会の決議は、決議に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。, と定めていいるのですが、「この取締役会の定足数算定の基礎となる取締役数は、原則として現存する取締役(取締役としての権利義務を有する者を含む。)の員数である」と解されています。, しかし、この原則を貫くと、極端に取締役の数が定員割れを起こしているような場合でも、(現存する取締役の過半数が出席すれば)常に取締役会を開催できることになってしまい、適当ではありません。, 項)を下回っているときは、その最低限の員数が基準となる」と解されています(江頭憲治郎『株式会社法第, なお、法令又は定款所定の取締役の員数が欠けた場合には、遅滞なく後任の取締役を選任しなければならず、これを怠ったときには、(私自身はまだ適用された例をみたことがありませんが)他の取締役は, 号)。有効な取締役会が開催できるからといって欠員の補充をほったらかしにしないよう注意が必要です。, 朝からゴホゴホ咳をしていて、コロナ感染が疑われる従業員に帰るようにと命じたら、休業手当を支払う必要があるのか?. 取締役会とは 取締役会は取締役・監査役で構成されます。取締役・監査役は株主総会で選ばれた方々であり、会社の経営判断を任されたメンバーです。経営判断に関わるものは、基本的に取締役会で決定します。(所有と経営の分離) 取締役会の権限 取締役会は、次の職務を行います。 取締役会設置会社における取締役会の定足数は議決に加わることができる取締役の過半数(会社法369条1項)。ただし、定款の定めにより加重することができる(同条項)。 All Rights Reserved. Copyright (C) 2019 TOMA Consultants Group Co.,Ltd. 東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館3階 取締役会や株主総会の承認がなければ辞任できないという特約がある場合でも辞任が自由である、というのが一般的な考え方です。なお、取締役を解任するには株主総会の特別決議が必要です[会社法339 … 取締役会は取締役・監査役で構成されます。取締役・監査役は株主総会で選ばれた方々であり、会社の経営判断を任されたメンバーです。経営判断に関わるものは、基本的に取締役会で決定します。(所有と経営の分離), また、取締役会は、次の事項その他重要な業務執行の決定を取締役に委任することができません。(会社法362条4項), ・会社法676条1号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項, ・取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備, ・会社法426条1項(取締役等による免除に関する定款の定め)の規定による定款の定めに基づく第423条1項(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)の責任免除, 取締役会は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席して開催され、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあってはその割合以上)をもって決議を行います。(会社法369条1項), ただし、決議に関して特別利害関係を有する取締役は、議決に加わることができないため、上記の定足数の算定からも除外されます。, 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成します。議事録が書面で作成されているときは、出席した取締役及び監査役がそれに署名し、又は記名押印しなければなりません。, 議事録が電磁的記録で作成されている場合は、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとることになります。, 〒100-0005 取締役会での決議において、決議が有効かの判断として、 (1)定足数の判断 (2)特別利害関係の判断 の2点が、特に悩ましい部分であります。 今回は(1)について、ハンドブックの記載を … 本日は月曜日ということで、小ネタを。実務上よく質問されるのが「ウチの会社では、取締役に欠員が発生しているのですが、そもそも取締役会は有効に開催できるのでしょうか?」ということです。例えば、定款上、取締役の員数を5名以上と定めている取締役会設置会社において、 TEL 03-6266-2555.