『メリスロン(一般名:ベタヒスチン)』と『セファドール(一般名:ジフェニドール)』は、どちらも眩暈(めまい)の薬です。 『メリスロン』は、「内リンパ水腫」を除去する作用があります。「メニエール病」ではこの「内リンパ水腫」が起こるため、特に「メニエール病」の治療に効果的です。 『セファドール』は、左右の血流量のアンバランスや、異常な神経興奮といった内耳障害を解消する作用があります。「メニエール病」だけでなく様々なめまいに使われます。 特に優劣は議論されず、めま … 厚生労働大臣許可【派遣業】派 13-010770 【紹介業】13-ユ-010743 めまいの治療の使用される飲み薬メリスロンを解説します。メリスロンの効果や副作用、ほかの薬やアルコールとの飲み合わせについて、現役薬剤師監修のもとわかりやすく解説します。, メリスロンはメニエール病、メニエール症候群、眩暈症にともなうめまい・めまい感を治す薬です。, アメリカでは、血管性頭痛に効果のあったヒスタミンをめまいの治療にも使用していました。しかし、ヒスタミンは腸内で分解されてしまうため、飲み薬ではなく注射剤として使用するしか方法はありませんでした。さらに、数週間から数か月かけて少しずつ量を増やしながら注射をする必要があり、めまいの治療に用いられる飲み薬はない状態でした。, ベタヒスチンはヒスタミンと違い、腸内で分解されないため飲み薬として使用できる成分です。日本でも開発が進められ、「ベタヒスチンメシル酸塩」を有効成分とするメリスロンとして1969年に発売されました。, めまいは、耳や脳、目など体のバランスをとっている機能に異常が起こることで引き起こされます。, めまいの中でも多いのは、耳から生じるめまいです。内耳の三半規管・耳石器が正常に働いていないことが原因です。三半規管は体の動きを感知し、耳石器は体の傾き・重力・加速度をとらえる機能をもっています。そのため、これらの機能に異常があると、実際の体の動きと矛盾が生じてしまい、めまいの症状が起こります。, 内耳の異常が原因となる代表的な病気がメニエール病です。内耳の中にあるリンパ液の圧力が上がりすぎてしまうことにより起こる病気です。, 内耳の毛細血管前括約筋などを緩め、内耳血管の血流を増やす作用があります。また、内耳毛細血管の透過性を調節して、内耳の中にあるリンパ液が過剰になって内耳圧が上がりすぎている状態を改善します。さらに、内頸動脈の血流量を増やし、脳循環を良くする効果もあります。, メニエール病など、内耳の異常が原因となるめまいは、自律神経の乱れも関係しているといわれています。めまいの改善には、薬を使用するだけでなく、ストレスをためないようにし、規則正しい生活を心がけることも大切です。, めまいの症状が続いたり、手足のしびれや麻痺、頭痛などをともなう場合は、脳の病気が原因となっていることも考えられます。これらの症状がある場合は、もう一度医療機関を受診して詳しい検査を受けましょう。, メリスロンの添付文書に記載されている副作用として、吐き気・嘔吐、発疹があります。副作用が疑われる症状が現れた場合は、担当の医師に相談しましょう。, メリスロンは副作用の少ない薬ですが、妊娠をしている方の使用は安全が確立されていないため、医師によってどうしても必要であると判断された場合にのみ使用します。必ず妊娠の有無を担当の医師に伝えるようにしてください。, また、授乳中の方の使用は特別な注意が必要とはされていませんが、医師や薬剤師に確認してから使用しましょう。, また、アルコールとの相互作用は報告されていないため、薬使用中の飲酒については注意喚起されていません。しかし一般的に薬は、アルコールを飲むことで吸収や代謝に影響が出ることがあります。, メリスロンには「メリスロン錠6mg」と「メリスロン錠12mg」の2種類があり、さまざまな製薬会社からこれらのジェネリック医薬品が発売されています。ジェネリック医薬品は「デアノサート錠」「ベタヒスチンメシル酸塩錠+製薬会社名」などの名称で販売されています。, なお、メリスロンの成分であるベタヒスチンメシル酸塩のみが成分となっている市販薬は発売されていません。(2017年7月現在), メリスロンは、症状や年齢に応じて量を調節して処方される薬です。医師の指示に従って使用しましょう。, また、薬や症状に関して心配なことがある場合は、ひとりで悩まず、医師や薬剤師に相談することが大切です。, ◯掲載している医薬品の添付文書情報は、セルフメディケーション・データベースセンターから提供されたものです。, ◯適正に使用したにもかかわらず副作用などの健康被害が発生した場合は(独)医薬品医療機器総合機構(TEL:03-3506-9541)にご相談ください。, ◯より詳細な情報を望まれる場合は、購入された薬局・薬店の薬剤師におたずねください。, ◯当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラ及び、セルフメディケーション・データベースセンターではその賠償の責任を一切負わないものとします。, 掲載している各種情報は、株式会社ミナカラが調査した情報をもとにしています。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。, 掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。, 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラではその賠償の責任を一切負わないものとします。情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社ミナカラまでご連絡をいただけますようお願いいたします。. 「いつ転職するのがベストなのか」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。新型コロナウイルス感染症の拡大により、転職市場にも影響が出ていることは間違いありません。しかし、そうした中でも、新しい人材を求めて積極的に採用活動に取り組んでいる企業も多くいらっしゃいます。現在の状況下でも満足できる職場と巡り合えるよう、私たちがサポートさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。, 調剤報酬の改定が行われ、現在各社が今後の業界動向の変化に対応すべく『正社員』の人材獲得に力を入れています。 新型コロナウイルス感染症の防止策を日常に取り入れた『新しい生活様式』の中で、「この先どこで働くか」「この先どんな働き方をするのか」を考える方も多いはず。改めて、薬剤師としてのキャリアについて、ファルマスタッフの転職コンサルタントと一緒に考えてみませんか。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); Copyright (C) 2020 メディカルアンサー All Rights Reserved.

「メリスロン(一般名:ベタヒスチンメシル酸塩)」は、 メニエール病などに伴う眩暈を治療する薬 として世界中で幅広く用いられています。1 メニエール病などに伴う眩暈(めまい)症状の改善に用いられる、「メリスロン」。2019年1月に発表された、東京大学・北海道大学・京都大学などのチームの研究報告によると、メリスロンには記憶力を向上させる可能性があると報告されています。, もちろん、あくまで研究の段階であるため、現時点で実臨床には用いられません。しかし、記憶回復のメカニズムが解明されれば、アルツハイマー病など認知症に用いられる治療薬の開発が期待できるのです。, 「メリスロン(一般名:ベタヒスチンメシル酸塩)」は、メニエール病などに伴う眩暈を治療する薬として世界中で幅広く用いられています。1969年1月に販売された薬で、内耳や脳内の血液の流れを改善する効果を持ち、めまい症状を改善するのに一役買っていると知られています。, 2019年1月、東京大学や北海道大学、京都大学などによって組まれたチームが、メリスロンに記憶を回復させる効果があることを研究による実証。認知症の治療薬に応用できる可能性があると発表しました。, 今回の研究は、20代中心の健康な男女計38名に128枚の写真を見せ、約1週間後に覚えているかを調べるものでした。メリスロンを服用した場合と服用しなかった場合で、それぞれの正解率を比較した結果、服用した人たちは忘れていた写真を思い出すケースが増え、正解率は最大で2倍近く上昇することが判明したのです。忘れた写真が多かった人ほど効果があり、見たのかどうか判別が難しい写真の正解率が高まる傾向であったとも報告されています。, メリスロンの効果・効能は、メニエール病などに伴うめまい症状を改善するものと報告されています。総計875例で実施された二重盲検試験を含む臨床試験では、「メニエール病」「メニエール症候群」等に伴うめまい・めまい感に対して有用性が認められているのです。, そんなメリスロンは、脳内の情報伝達物質・ヒスタミンの放出を促す働きがあることも知られています。上記で記載した研究では、メリスロンを服用した人たちは、ヒスタミンが活性化したことで、写真を思い出したのではないかと考えられています。ヒスタミンにより記憶を担う神経細胞が活性化し、忘れた記憶の回復に繋がったのではないでしょうか。, 今回の研究だけでは、メリスロンの服用によって記憶力が向上するとは一概には言い切れません。しかし、認知症の研究において有用な報告であったと考えられているようです。なお、現時点ではメリスロンは認知症には適応していません。あくまでメニエール病などに伴うめまい症状を改善する薬であることを忘れないでください。, メリスロンの副作用には、悪心・嘔吐や発疹などが報告されています。市販後臨床調査によると、総症例2,254例中26例(1.15%)の副作用が報告されています。, また、投与に適さない患者さまもいらっしゃいます。メリスロンはヒスタミン類似作用を有するため、消化性潰瘍の既往歴のある患者さま、活動性の消化性潰瘍のある患者さま、気管支喘息や褐色細胞腫を抱えるある患者さまも、慎重に投与すべきであると考えられています。そのほかに、生理機能が低下している高齢者、安全性の確立していない妊婦・産婦・授乳婦や小児においても注意が必要です。, 厚生労働省の発表によると、認知症の患者数は年々増加傾向にあるようです。2012年時点で約462万人であった患者数は、団塊の世代が75歳以上となる2025年には700万人前後に達する見通しとなっています。認知症治療薬の研究は進められていますが、期待した成果が得られているものは決して多くありません。, そうした中で、今回の研究成果は大きな前進と言えるでしょう。記憶が回復する仕組みを解明し、これまでの認知症の研究成果と組み合わせれば、アルツハイマー病などに効果が見込める新たな治療法の開発につながる。そんな期待が寄せられています。, 薬剤師は認知症の患者さまとその家族に、薬学的視点をふまえて適切に助言することが求められています。以下の記事では、認知症の患者さまに対する接し方と服薬コミュニケーションについて詳しく解説しているので、ぜひ確認してみてください。, ドラマ『アンサング・シンデレラ〜病院薬剤師の処方箋〜』でも一躍話題となった病院薬剤師。ドラマで様々な薬剤師の葛藤や苦悩する姿が取り上げられ、病院で働く薬剤師の仕事に対しより深く興味を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。彼ら薬剤師の業務内容や役割は、実はそれぞれ配属される部署によって大きく異なると知っていましたか?連載第1回目では、製薬会社や保険薬局、介護療養型医療施設での経験を経て、大学病院で薬剤師としてのキャリアを積まれている柴田ゆうかさんに、病院薬剤師の仕事やキャリアについてお話を伺いました。, 調剤薬局で働く薬剤師の割合は高く、代表的な職場のひとつです。しかし、詳しい業務内容については意外と知られていないことも多いのです。この記事では、他業種から調剤薬局へ転職を考えている薬剤師の方に向けて、調剤薬局の業務内容について解説します。, 処方箋をオンラインで管理する「電子処方箋」。その導入が目前に控えています。医療機関と薬局が最新情報を共有することにより、重複投薬など医療リスクの削減をはじめとする様々なメリットが期待されています。この記事では、【電子処方箋の運用ガイドラインをもとに電子処方箋の導入の目的/導入するメリット/導入における課題】などについて解説します。, 薬学部定員の増加や国民医療費の抑制による「薬剤師に飽和状態」、そしてAIの医療現場への投入が雇用減少につながるという意見など、今後は「生き残る薬剤師」と「そうではない薬剤師」の差は明確に分かれると言われています。薬剤師の現状や将来性、生き残るために身につけるべきスキルをご紹介します。, 政府は2019年3月19日に薬機法の一部を改正する法律案を閣議決定しました。正内容は多岐にわたり、3回にわたって施行されることが予定されています。今回は、2020年9月に施行される改正薬機法の内容について、薬剤師がおさえておくべきポイントに絞って解説していきます。, 薬剤師として働きながら、薬剤師以外のジャンルに活躍の場を広げる方にインタビューする新企画。第1回目は、薬剤師として薬局で働きながらも、スポーツファーマシストとして精力的な活動をされる清水雅之さん。薬剤師やスポーツファーマシストとして活動をつづける傍ら、静岡県の災害薬事コーディネーターや薬局経営、認知症カフェの経営など、手広く地域の方たちの健康をサポートする活動を行っています。