「知る」という言葉は使い勝手がよく、日常会話中でもよく飛び交う言葉です。しかし、この「知る」を謙譲語や尊敬語といった敬語表現で用いるとなった場合、急激に難易度が上がります。そこで、今回はこの尊敬語や謙譲語における「知る」の使い方や例文を紹介します。 「知る」の謙譲語での敬語表現は「存じる」「存じ上げる」ですが、実際に会話の中などで使う場合には「存じております」「存じ上げております」というように後ろに「おります」という言葉をつけるのが一般的です。 「知る」の「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の使い分けを正確に行えますか。 敬語の使い分けは意外と難しいですが、使い方を間違えてしまうと相手に失礼になってしまうこともあります。 相手に好印象を与えられるよう正しい敬語を身に着けましょう。 仰す・仰せらる. 「知る」の「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の使い分けを正確に行えますか。 尊敬語の「ご存じ」は謙譲語の「存じる」と似ています。そのため、使う時には注意することが大切です。「ご」を付け忘れてしまうと、相手の方の動作に謙譲語を使うことになり、失礼にあたります。「知る」が自分の動作なのか、相手の方の動作なのか、しっかりと意識して使い分けましょう。, 「知る」の丁寧語は「知る」に「ます」を付けた「知ります」になります。丁寧語は相手や自分の動作を丁寧に表す言葉なので、使う対象を選びません。丁寧な言い回しで表現する時に使いましょう。 「知る」という言葉の敬語の一種である丁寧語は、「知ります」や「知りました」、「知っています」、「知りたいです」という言葉です。丁寧語は、言葉の最後に「です」「ます」という言葉をつけて、相手や自分の立場に関わらず、言葉を丁寧に使うときの表現のことを指します。 「知りました」や … 二つの流れがありますね。 pic.twitter.com/Raey2bQMnW, 「そのことには一切関知していません」という表現を聞くことがありますが、同じような意味で「知る」を使えます。「わたしの知ったことではありません」「わたしのあずかり知らないところで行われました」などのような使い方です。関知と同等の意味で「知る」を使う場合は、否定語が用いられることがよくあります。, 「知ってる」と聞かれたら、「知ってる」か「知らない」と答えるしかありませんが、「知ってる」と答えれば、話がはずみます。プライベートでもビジネスシーンでも多くのことを知っていて損はしません。話がはずめば、友情も深まります。「知る」や「知っている」にはこのようなメリットがあります。, 「知る」や「知っている」のメリットが大きいからと言って、知ったかぶりはいけません。無理に知っているふりを装うと、最終的には話が続くなくなり、行き詰ってしまいます。せっかく盛り上がった会話もそれで終わりです。知らないことは包隠さず正直に打ち明け、相手の説明を待ちましょう。説明自体を喜んでしてくれる人もいます。, 親しい間柄では「知る」や「知っている」をそのまま使っても問題はありません。しかし、ビジネスシーンや正式な場面では、「知る」や「知っている」の敬語表現、すなわち尊敬語、謙譲語、丁寧語の使用が求められます。これから「知る」や「知っている」の尊敬語、謙譲語、丁寧語を見ていきますが、その前に敬語の大切さを考えてみましょう。, 敬語表現は日本語特有の言葉の使い方です。日本語の敬語表現は古来から使われてきました。古典を読めば、美しい敬語表現が随所に使われていることがわかります。敬語表現によって、相手への敬意を表したり、自分を謙遜したり、言葉の響きを和らげたりなどの効果を発揮できます。まさに敬語表現は日本人の専売特許です。, 話言葉にしろ書き言葉にしろ、自分一人で文章を作り、自分一人で聞いたり読んだりするとは限りません。相手がいます。その相手との関係をよりよくするためにも尊敬語や謙譲語、丁寧語などの敬語表現を上手に使う必要があります。使い方さえ気を付ければ、敬語表現は人間関係を豊かにするうえで有効な対人表現です。, 「そんなつもりはなかったのに」「誤解なのに」って事あるよね。誤解を解くことができずに、そこで、関係が終わってしまう事もある。自分を理解して欲しいと願うなら、自分は、相手の事を理解しようしたか考えよ。♯相互理解♯相互尊重 pic.twitter.com/CACC44Gb1H, 現代社会では、平等がことのほか重視されます。それはそれでいいことですが、平等社会とはいえ、相互尊重の精神を忘れてはいけません。その相互尊重の精神を最もうまく表現できるのは敬語表現です。相手への敬意を表すのにこれほどふさわしい表現方法はありません。, 日本語の敬語表現は3種類で構成されています。尊敬語、丁寧語、謙譲語です。尊敬語は相手や第三者の行動や状態について敬う場合に使います。謙譲語は、自分の立場を低くすることによって、相手への敬意を表す場合に使います。丁寧語は自分と相手、ないしは第三者の立場には関係せずに、丁寧かつ上品に物事を表現したい場合に用います。, 「知る」の尊敬語がいくつか種類があります。「ご存知」「お知りになる」「知られる」などです。それぞれ微妙に使い方が違うので、注意する必要があります。, ただいま石川県!こちらは小松空港ですご存知の方も多いかと思いますが空港と空自が併設してるので普通に戦闘機が飛んでますにしても戦闘機が飛んでる下をNinjaで走るなんて気分はさながらトム・クルーズですなDanger Zoneが聞こえてきそうです pic.twitter.com/FE5AjW5ahc, 3つ挙げた「知る」の尊敬語のうち、「ご存知」が一番使いやすい敬語表現です。目上の人に使う場合やビジネスシーンで用いる場合は、「ご存知」が一番いいでしょう。ただし。使い方に注意点があります。後で説明しますが、「存じる」という「知る」の謙譲語があります。「ご」があるかないかによって、尊敬語と謙譲語の意味が逆転してしまうのです。, 「お知りになる」も相手に敬意を表すのにふさわしい表現ですが、響きに少し問題があります。「お尻になる」と勘違いされてしまうこともあり得ます。文章で使う場合は意味は伝わりますが、会話だとどちらかはっきりしないこともあるのです。もちろん、会話の流れから言って「お尻になる」ではないとわかるでしょうが、念のため「ご存知」を使いましょう。, 5/26に #日本デー が開かれるデュッセルドルフは「欧州の日本」として知られるライン川沿いの街。「世界一長いバーカウンター」と異名をとる旧市街でアルトビールの飲み歩きも楽しめます。お城や廃墟なども見どころ☆ #duesseldorf #japantag#デュッセルドルフ ってこんな街→https://t.co/JpKL4QgmTB pic.twitter.com/OONRGGBa01, 「知られる」は「知る」の尊敬語としても使えますが、どちらかというと「知る」の受身形としての用法のほうが利用範囲が広いです。「〇〇は世間でもよく知られている」という表現をよく耳にしますが、「知る」の尊敬語として「知られる」を使っても、受け身の意味でとらえられてしまう可能性があります。やはり「ご存知」が一番使いやすいです。, 謙譲語には謙譲語1と謙譲語2がありますが、「存じる」は謙譲語2に当たります。では、謙譲語2とは何かというと、これは相手の立場にはそれほどとらわれず物事を丁寧に表現したい場合に用いる言葉です。「存じる」を丁寧語にした「存じます」も謙譲語2に該当します。, 謙譲語1を使うと、相手を敬う気持ちがより一層表現できます。したがって、自分よりも目上の存在に使うにはぴったりの表現が謙譲語1です。「知る」の謙譲語1は「存じ上げる」です。「存じる」にさらに「上げる」という謙譲語がついている「存じ上げる」はより丁寧な表現です。, 「知る」の謙譲語である「存じる」と「存じ上げる」は対象によって使い分けなければいけません。基本的に「存じる」は、人や物、場所など広い対象に使うことができます。一方、「存じ上げる」は知っている対象が人に限られるので、注意が必要です。, 「存じる」や「存じ上げる」は「思う」の謙譲語でもあります。「〇〇のように存じ上げています」と言えば、「〇〇のように思っています」の意味です。「存じる」や「存じ上げる」が「知る」の謙譲語か「思う」の謙譲語かは文脈で判断する必要があります。, 「承知する」には「理解する」という意味がありますが、その意味では「知る」の謙譲語です。より丁寧に表現したい場合は、「承知したしました」と言えばいいでしょう。ただし、「承知」には「理解」だけでなく、「承諾」という意味も含まれる場合があるので、そこまで考えると「知る」の意味を超えます。, 海苔文字弁当!布施明さんの名曲西城秀樹さんは、布施明さんに憧れて歌手を目指し14歳でひとり上京したと知りました!布施さんは歌声も男らしくてパワフルでとても素敵ですね✨ pic.twitter.com/2iEn0dJcnp, 丁寧語は相手との関係にはとらわれずに、物事を丁寧かつ上品に表現する言葉ですが、使い方は簡単です。「です・ます」を語尾につければいいのです。したがって、「知る」の丁寧語は「知ります」です。一方、「知っている」の丁寧語は「知っています」です。, 謙譲語2は丁重語とも言います。丁寧語と意味はほとんど変わりません。しかし、謙譲語2のほうがより丁寧な表現だとされています。また、使い方も違います。謙譲語2は自分自身に関することにしか使えませんが、丁寧語は「です・ます」をつけるだけで、自分自身のことも相手のことも第三者のことも表現できます。, 「ご存知」は「知る」の尊敬語なので、話をしている相手や手紙を書く相手、第三者に対して使用できます。こんな使い方はどうでしょうか。「〇○先生もこのことに関してはご存知です」「ご存知のこととは思いますが、念のため付け加えさせていただきます」「〇○さまの現況をご存知の方いらっしゃいますか」などです。, 「知る」の尊敬語「お知りになる」が「お尻になる」と響きが同じだからと言って、全く使えないわけではありません。こんな使い方もあります。「その事件のことはどこでお知りになりましたか」「そのことに関していつお知りになりましたか」。このような聞き方をすれば、特に不自然には思われません。, 「知る」に尊敬を表わす助詞がついた「知られる」は受け身形ととられる確率が高いので、同じ尊敬を表す語として「いらっしゃる」を使うといいでしょう。「〇○さまの件はお知りになっていらっしゃいましたか」とか、「〇○先生はすでにその件を知っていらっしゃいます」などのようにすればいいのです。, 「存じる」はすでに説明したように、人や物、場所など広い対象に使えるので、次のような例文が考えられます。「そのことについては存じています」とか、「残念ながら、○○さまのことは存じません」などです。対象が広い分、応用できる使い方の範囲も大きいです。, YEBISU亭。喬太郎師匠、兼好さんの響きの美しさを聞き入り、このLIVEのプロデューサーでトークの司会(!)まあくまさこさんから師匠の奥山コーシン先生を紹介される。もちろんご高名を存じ上げる。「貴方にはお手紙を書きたかったの。『藝人春秋』についてね……」ともろもろと話して頂く。 pic.twitter.com/eGw2K6tZ33, 「存じ上げる」は「存じる」と違って、人しか対象にできません。したがって、例文も限られてきます。「〇〇様のことはかねがね存じ上げております」「〇〇様の御高名については以前から存じ上げています」などのような使い方ができるでしょう。「存じ上げる」は丁寧な表現なので、使い方を工夫すれば、相手を大事にする気持ちを表すことができます。, 「承知しました」と言ってしまうと、承諾の意味が強くなるので、「知る」の謙譲語の意味が表現されている例文を紹介しましょう。たとえば、目上の人が「〇○君、○○のことは知っていたかね」と聞かれたら、「はい、すでに承知していました」と答えれば、「知る」の謙譲語の使い方です。, 銀行で清太は終戦と父の死を知ります。「ナウシカ解読」という本に収録されているインタビューにおいて、宮崎駿監督は海軍士官の子である清太と節子が飢え死にするわけがないと「火垂るの墓」を批判しています。#火垂るの墓 pic.twitter.com/GlTeBVkYmf, 丁寧語は便利な敬語表現です。目上、目下を問わず使えます。「知る」の丁寧語「知ります」も状況は同じです。以下に例文を挙げます。「そのことについては知りませんでした」「その件について話を聞いて、ようやく知りました」「どなたか〇〇さんの行き先を知りませんか」などです。どのような場面でも使える便利な敬語表現です。, 「知る」の状態を表す動詞「知っている」の丁寧語の例文も見てみましょう。「交番がどこにあるか知っていますか」「〇○さんの住所を知っています」「〇○さんの具合が悪いことは、すでに知っていました」などです。「知ります」では表現しきれない場合は、こちらの敬語表現を使うといいでしょう。, 発足式を終わり、私は激励と感謝のスピーチしました。淀川署の皆さんの姿を拝見し、淀川区民17万人の安全・安心を願うひとりとして、光栄に存じるとともに、大変心強く感じました。 pic.twitter.com/UuaT0t0M, 「存じる」は「知る」の謙譲語であると同時に「思う」の謙譲語であることを紹介しましたが、念のために「思う」の謙譲語としての例文も見てみましょう。こんな例文が考えられます。「全員はつらつとしていることと存じます」「すでにおわかりになっていることとは存じますが、もう一度解説します」などです。, 多くのご縁と奇跡があった福井遊学。町田先生、東山先生、シンポジウム関係者の皆さん、いつもお世話になっております幕末好きのみなさん、本当にありがとうございました。車内、帰宅後は『啓発録』を読みたいと存じます。#福井遊学#幕末史 pic.twitter.com/UGuXyefp4j, 文章で「存じる」が使われている場合は、その文章に「知る」か「思う」を当てはめてみれば、どちらの謙譲語かは簡単にわかります。しかし、会話の場合は、よく注意して使い分けましょう。一つの目安として、「思う」の謙譲語として使う場合は、「~と存じます」と表現する場合が多いです。, 友人間、家族間などの日常会話では、無理に「知る」の敬語表現を使う必要はありません。「知ってる」と聞かれたら、「知ってるよ」または「知らないよ」で済んでしまいます。せいぜい「知っています」程度の丁寧語を使えばOKです。もし「知る」の尊敬語や謙譲語を日常会話で使うと、かえって変です。, 面接で欠かせない敬語、大丈夫? 尊敬語と謙譲語の違い、今すぐ言ってみてよ! ついでに就活マナーの基本も知っておこ↓https://t.co/2pd9liydF3 pic.twitter.com/RzHvNmCLDt, 「知る」の尊敬語「ご存知」は、目上の人ならだれに対しても使えます。上司、取引先、先生、先輩など対象は問いません。使い方さえ誤らなければ、尊敬の気持ちを上手に表現できます。ビジネスシーンで何かを知っているか尋ねる場合は、必ず「ご存知ですか」を使いましょう。間違っても、相手に謙譲語の「存じていますか」を使ってはいけません。, ビジネスシーンで自分が知っていることを話題にする場合は、「知っています」のような丁寧語よりも「存じています」「存じ上げております」のような謙譲語を使うほうがおすすめです。「知っています」も敬語表現ですが、ビジネスシーンで使うにはやや物足りません。「存じています」や「存じ上げています」を使って、上手に自分を表現しましょう。, ここまで「知る」の敬語表現について解説しました。「知る」には、尊敬語も謙譲語も丁寧語もあります。会話や手紙の相手、場面などに応じてそれぞれを使い分けるのですが、使い方を誤ると、失礼なばかりか奇妙な感じがします。したがって、よく使用方法を学んで、効果的に使い分ける必要があります。.