私はなぜ離婚したいのかと、自分の希望をしっかりと伝えました 弁護士さんは親身に話を聞いてくれ、まず私が希望している「親権」について教えてくれました 親権とは ※親権者と監護権者は一致したほうが良いと一般に考えられています。 今回は、親権の際に重要なポイントとなる、家裁調査官の調査について検討しようと思います。, 家裁調査官(家庭裁判所調査官)というのは、家事事件で親権や監護権に争いがある場合に「どのような方向で進めると解決に資するか」について、調査のうえ意見を述べたり、少年事件(少年犯罪)で、少年に対して、「どのような処分をするのが適切か」について、調査のうえ意見を述べる立場にある、裁判所の専門職の職員です。, 家裁調査官になる方は、多くの方が、心理学、社会学、法学等を学んできており、その分野のスペシャリストともいえます。, 家裁調査官が、夫(妻)に親権を認めることが望ましいという意見を出した場合には、裁判官がそれに反する判断をすることはまず少ないと思われます。, そのため、離婚する際、親権を争っている場合には、多くの場合、家裁調査官の調査及び家裁調査官の意見が、結論を左右すると言っても過言でないほど重要なものになるといえるでしょう。, では、家裁調査官による調査とはどのようなものなのでしょうか。そして、家裁調査官ははどのような点に着目して調査をし、子供の親権についての意見を述べるのでしょうか。, 基本的には、家庭訪問をして、家の様子のチェックをしたり、親とは関係なく子供だけと話し、雑談の中で、子供がどのようなことを考えているのかを聞き取ったりします。, 家庭訪問の後、子供だけで裁判所に行って(勿論親が裁判所につれていくことは問題ありませんが)、親が同席しない場で調査官と話をして、, もちろん、その中には、「子供が父母のどちらと暮らしたいのか」というシビアな点も家裁調査官の調査の対象となります。, それは、すべて、「子の利益」のために、どの結論にするのが最も適切か、ということになります。, そして、「子の利益」の判断にあたり、重要な要素となっているのが、①「子の(過去及び将来の)監護環境」と②「子の意思」ということになります。, これは、(ア)「過去の監護(養育)実績」と、(イ)「将来期待される監護(養育)環境」に分かれます。, 「過去の監護(養育)実績」については、実際に現在まで、子供についてどのような監護をしてきたのか、ということになります。, 例えば、食事を食べさせる、お風呂に入れる、幼稚園への送り迎えをする、寝かしつける、本の読み聞かせをする、勉強を教える、子供が体調を崩したときに幼稚園や学校に迎えに行く、等、多くの例が挙げられることになるでしょう。, 双方は、「自分はこんな監護をしてきた。だから、自分に親権が認められた場合には、こんな監護ができるんだ」、という主張をすることになるでしょう。, 家裁調査官は、親に対して、子供の性格や、どのようなスケジュールで生活していたか等についても聞いてきます。子供の性格を理解しているか、子供の日常的な生活を十分に把握しているか、についてもチェックをされることになります。, 家庭訪問で、家の様子のチェックされ、雑然としているか、子の監護(養育)に十分な広さがあるか等、色々な要素がポイントになります。, 家庭訪問の中で、子供の監護(養育)にふさわしい環境といえるか、将来的にどのような監護(養育)が期待できるのか、というのを調査することになります。, 例えば、子供の祖父母から、親が仕事で忙しいときでも、子供の面倒を見たり、子供の送り迎えについても十分な協力を得ることができるのであれば、家裁調査官にとっては、ポジティブな事情になるでしょう。, 経済的に安定した養育ができるのか、というのは、子の養育環境にとって、一つの重要な要素になります。, もちろん、収入が少ないからと言って、他方の親から養育費をもらえますから、そこまで収入が少ない(ない)からといって、悲観的になることはありませんが、できるのであれば、収入としてもある程度安定して得られると言える方が、良い印象を与えられると思います。, 次に、②「子の意思」についてですが(これはある程度大きくなっていて、自分の意思を示せることが前提となり、乳児・幼児等については意思は確認できないのが前提となります。)、, 当然、親としては、自分に有利なことを言って欲しいとは思いますが、子供がどう思っているかに関係なく、子供に自分に有利なことを言うよう働きかけること等は避けた方が望ましいと思います。, 子供は取り繕うのが上手ではありませんし、家裁調査官はプロですから、子供が本当にどう思っているか、を聞き出す可能性は十分にあります。, むしろ、子供が本心からご自身と一緒にいたいと思ってもらえるよう、日常的に子供の面倒を良く見る等、子供と良好な関係を築くことに力を注ぐほうが望ましいと思われます。, 次回は、実際に家裁調査官の調査は、手続きの中で、どのように進んでいくのか、について述べていきます。, このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。, 家裁調査官の調査の進み方(離婚調停を例に)~離婚~ | 弁護士山田雄太の新宿御苑日記. 2 家裁調査官が着目(重視)するポイント ( https://o-ishin.jp/sangiin2019/common/img/manifest2019_detail.pdf ), 実はこれは、子育て支援関係者・DV被害者支援関係者を、悪い意味で戦慄させています。, 本件について、10年以上ひとり親支援に携わった身として、解説を行いたいと思います。, とはいえ当たり前ですが、親権を持っていないからといって、子どもの重要事項決定に関わることを禁じられているわけではなく、事実婚カップル等は日々の話し合いを通じて、子どもの進学先や手術を受けるかどうか等、決めているのが普通です。, この、通常であれば離婚後はどちらかの親、通常であれば子ども一緒に住む親(以下、同居親)のみが持つ親権を、離婚後も持てるようにしよう、という制度です。, 離婚した後も、子どもがどこに住むか、どの中学校に進学するか、どの会社に勤めるのか、定期預金を解約するかどうか等、離れて暮らす親(以下、別居親)も重要事項決定権を持つため、意思決定が共同でなされます。, 別れた後も関係性が非常に良好な場合は、穏やかな話し合いに基づいて、両者が子どもの重要事項の決定に参画できるので、子どもの重要事項の決定に関わりたい別居親にとっては、より満足度の高い仕組みと言えるでしょう。, むしろ関係性が悪化して離婚するのが一般的なので、通常は離婚後カップルの間は、相当な緊張感があると言って良いでしょう。, ですが、離婚後共同親権においては、必ずしも関係性の良くない別居親も重要事項決定権を持ちます。, そうすると、子どもがどこに住むか、どの中学に行くのか、手術を受けるか否か等について、拒否権を発動できるようになります。, と言うように、同居親が必要と感じている意思決定が阻害し、子育てに支障をきたす可能性が高くなります。, そしてそうしたことによって、元夫婦間でさらにトラブルが激化し、子どもにとっても悪影響を及ぼします。, 現行法であれば、物理的DVや精神的DVを受けた同居親は、DV加害者の別居親から逃げ、無関係に暮らすことができます。, しかし、離婚後共同親権によって、こうした別居親にも、重要事項決定権が与えられることによって、常に同居親の子育てに別居親が口出しできる可能性が高まります。, 「DVケースは除外すれば良い」という主張もあり得ますが、DVの立証は、殴られた跡のあざや傷等の証拠を必要とします。, 僕が相談対応したケースでは、刃物を持って「殺すぞ」と夫に脅された事案でしたが、証拠が無かったため、DVとは認められませんでした。, そうだとすると、精神的DV・経済的DVについては立証が難しく、裁判所は「DVが無いので」離婚後共同親権は可能だ、と判断する可能性が出てきます。, だとすると、子どもを育て続ける限り、精神的DVは継続する可能性があり、DV被害者は怯え続けなくてはならなくなります。, 離婚後共同親権は、このように非常に問題のある制度です。慎重に議論を重ねる必要があるでしょう。, にも関わらず、日本維新の会が、こうした制度を公約に掲げたことは、由々しき事態です。, しかも、我々のようなひとり親支援団体、DV被害者支援団体に何らのヒアリングもせずに、公約化してしまいました。, 野党といえども、「ゆ党」と呼ばれるくらい与党とは距離が近く、また改憲勢力として政権と連携する立ち位置です。, まかり間違って離婚後共同親権が実現しようものなら、その影響は100万世帯を超えるすべてのひとり親、そしてDV・精神的DVに苦しむ全ての親たちに及びます。, こうした弱い立場の人々を苦しめる制度が政治的アジェンダとならないよう、多くの人々に関心を持って頂きたいと思います。, © komazaki.net All Rights Reserved.無断転載・引用等はお断りします, https://o-ishin.jp/sangiin2019/common/img/manifest2019_detail.pdf.